◆体験談④知人H氏
『紹介派遣』のタイミングを誤った…

 私の知人H氏は勤務先U社に品質管理部へ『派遣社員』として着任しました。その作業内容はH氏の性格や適正に合っていたようで彼は長い間、その仕事をしており1年ちょっとの期間をその仕事で過ごしていました。

 そんな中、勤務先U社から「『社員』にならないか」という誘いを受けたそうで『派遣社員』のままでは給料が上がることもないですし、1年以上続けられた職場なので相性も良いのではないかと、その誘いに乗りました。

 ただ、その誘いには1つの条件があり、「製造部に異動」という条件でした。彼は品質管理部から製造部の様子は見ていましたし、商品にも触れていたので大丈夫だと判断し、年齢的にも、いつまでも『派遣社員』なのはどうか…とも悩んでいたため、この機にとその条件も飲んでチャレンジしました。

 そして実際に製造部で作業を開始したのですが、品質管理部と比べ、肉体的な負担が大きく、作業内容もまったく違ったため、楽ではなかったようでした。しかし、『社員』になれるという条件のためにも頑張ろうと、彼は1ヶ月目を黙々と頑張りました。

 しかし、2ヶ月目に突入したにもかかわらず、管理職からは何も言われないようでした。彼も「本当に社員になれるのかな?」と疑問が出始めていました。しかし、なれると信じて彼は頑張っていました。

 そして3ヶ月目に入ると彼はさすがに待ちきれなくなったのか、管理職に確認したようです。すると返事は「早くて再来月」という答えだったようで、かなり彼はやる気がそがれていました。製造部は仕事がとてもハードで入れ替わりが激しいため、人手不足に陥っていました。対して品質管理部は作業自体が比較的楽なため、入れ替わりも少なく、人手も十分だった状況から、上手く利用されたと彼は思ったようです。私に「『社員』になるって言うの…早まった…」と嘆いていました。

 その後、彼は社員になったか分かりません。私が『派遣社員』をしていたときの話ですので追跡しきれていませんが、こういったケースもあります。

 確かに『紹介派遣』というのは、とても良いメリットではあります。しかし、たくさんの部署を持つ契約企業(クライアント)の場合は、必ず今の部署に配属されての『紹介派遣』になるとは限らないという例として紹介しました。この場合は契約企業(クライアント)側としては過剰人員を不足部署にまわすという、とても効率の良い運営ですが、実際異動させられた方はその勤務先を辞めたくなる要因にもなりかねないという話です。

 『派遣社員』は部外者ではありますが、任期が長ければ長いほど『社員』に近い扱いを受けるようになってしまうのは当然の結果であって、契約企業(クライアント)側の意に沿わない場合は、契約解除や異動もありえます。しかし、このような事態はたとえ『社員』であっても管理職であっても経営者であっても組織の中にいると起こりうる現象ですので、あまり気にせず前向きに業務することが大切でしょう。

 『紹介派遣』と一言で言ってもさまざまなケースが存在します。『派遣社員』になる場合は、予めそういった現象も理解し、担当者に相談する際にも理解した上で話をできると『紹介派遣』を有効的に使えると思います。

 それから、これは管理職の人から聞いた話しですが「『社員』に誘ってからさらに実力ややる気を見て判断する」というパターンが多いようです。誘われたから一安心ではなく、その後、さらに頑張りを見せておくことが確実に『紹介派遣』を成功させるコツでしょう。

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